いよいよ今日から公開だ。試写なんぞ観ていないので何も言えない。のだが、公式サイトをつらつら見ていて気が付いたことを何点か。
1.象限儀、内法一尺の鉄鎖、彎窠羅針が姿を消している。昨年11月位は大象限儀組立ショウなんぞを行っていたはずだが、現在、宣伝コンテンツからことごとく姿を消している。
2.劇場グッズ「天地明察 絵馬メモ」のボケボケ画像で招差術問題にあたる問題を確認、翻刻。
斗>箕>尾>心>房>氐>亢>角
奎>壁>室>危>虚>女>牛>
関孝和殿
今有如図大小星球
十五球只云角亢二
球周寸相併一十六寸
又云氐房心三球周寸
相併二十七寸
別云虚危室壁奎五
球周寸相併六十三寸
問角星周寸幾何
七寸八分
関
安井算哲
注:「球」は解像度の限界。怪しい。
所詮劇場グッズである。映画の内容と同一である保障は全くない。以下はこの問題が映画版と同様と仮定してのもの。
2−1.30/7 という訳のわからない拘りは、あっさり捨てたようだ。
2−2.比較的、オリジナル・海老澤總右衛門正泰版に近くなっている。
2−3.文庫版と数値は違うが、同様に、初期値39/5、増分2/5の等差数列に成り下がっている。
30/7 に拘っている分文庫版の方に努力の跡が認められるが、「
目くそ鼻くそを笑う」レベルだ。
2−4.「招差術」とみなされるかどうかは不明。
an = pn^2 + qn + r を想定する。
角: a1 = p + q + r
亢: a2 = 4p + 2q + r
氐: a3 = 9p + 3q + r
房: a4 = 16p + 4q + r
心: a5 = 25p + 5q + r
尾: a6 = 36p + 6q + r
箕: a7 = 49p + 7q + r
斗: a8 = 64p + 8q + r
牛: a9 = 81p + 9q + r
女: a10 = 100p + 10q + r
虚: a11 = 121p + 11q + r
危: a12 = 144p + 12q + r
室: a13 = 169p + 13q + r
壁: a14 = 196p + 14q + r
奎: a15 = 225p + 15q + r
題意より
角+亢: a1+a2 = 5p + 3q + 2r = 16 ・・・(1)
氐+房+心: a3+a4+a5 = 50p + 12q + 3r = 27 ・・・(2)
虚+危+室+壁+奎: a11+a12+a13+a14+a15 = 855p + 65q + 5r = 63 ・・・(3)
(1)、(2)、(3)より
p = 0, q = 2/5, r = 37/5
故に
角: a1 = 39/5 = 7.8
あほくさっ!
映画「天地明察」の招差術問題も、条件過剰の「
病題」である。カテゴリー「
繁題」。
牛>斗>箕>尾>心>房>氐>亢>角
今有如図大小星球九宿
只云房周寸九寸
又云牛周寸一十一寸
問角星周寸幾何
で充分。
an = qn + r を想定する。
房: a4 = 4q + r = 9 ・・・(1)
牛: a9 = 9q + r = 11 ・・・(2)
(1)、(2)より
q = 2/5, r = 37/5
故に
角: a1 = 39/5 = 7.8
しょぼい。しょぼすぎる。佐藤健一先生にはちょっと期待していたのだが・・・天地明察ならぬ残念至極だ。
9/15 20:00 追記:
レイトショウを観に行こうと思ったら、18時台が最終上映だったorz 当面観るチャンスはない。
間違いだらけの天地明察
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