タブーの漢字学 (講談社学術文庫)
著者: 阿辻 哲次
出版社: 講談社
ISBN: 4062921839
定 価: ¥ 882
出版日: 2013-07-11
ジャンル: 文庫
第一章 「性」にまつわる漢字
第二章 「死」をめぐる漢字
第三章 大小便と「月のさわり」
第四章 名前に関するタブー
中国語学、特に漢字を中心とする文化史を専門とする先生。トリビア満載。白川静先生とは視点の違う漢字の起源もあり、目から鱗。中でも最終章は圧巻。「康煕字典」に対抗して「字貫」を編纂した王錫侯が、「丘」「玄」「〓(金+華)」「胤」「禛」「弘」「暦」の七文字を表記したばっかりに、死罪。21人の親族逮捕、うち3人の子、4人の孫が連座して死罪。これを「字貫」事件(乾隆42年1777)というらしい。ピンとくる人は中国史通。わからない人はこの本買って読みなさい。
現代でいえば、人名字典に「睦仁」「嘉仁」「裕仁」「明仁」の項を設けるようなもんだ。世が世なら不敬罪で逮捕、一族郎党ひっくるめて死罪。と相成る。『秘密保全法 』が通れば私が真っ先にしょっ引かれるかもしれない。息子よ許せ。
ちなみに、表紙の文字を篆書体にすると、
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